30歳新卒の就活

 就活がつらいというのは、およそすべての学生にとって真であると思います。

ちょうど1年前ほどがいわゆる就活解禁(内定解禁)でした。

その就活を振り返って、30歳新卒の就活とはどのようなものだったのか、思い出していこうと思います。

 

1.30歳にハンデは(ほぼ)無い

 

 ESや履歴書を書くとき、最初は自分の生まれ年を書き込むことが苦痛でした。

自分の写真の横に当時29歳という数字を書き込んだとき、既にこれで落ちてるんじゃないかとすら感じていました。

 

 ところが蓋を開けてみると履歴書はある程度通りました。

今や70歳まで働く時代とも言われ、実際今の20代は70を超えても働く、或いは働かざるを得ない超長期労働の時代なのではないでしょうか。

そして第二新卒30歳までは新卒といった概念が生まれました。

結果、私の就活では、もはや労働に数年の出遅れは不問と言っていいのではないかと思うほどでした。それほどまでに年齢について突っ込まれることはなかったです。

 

 一方、ほぼと書いたのは物理的に応募が不可能なものもあったからです。

例えば、現在就活はWEBサイト経由で履歴を書き込むところが多いと思います。

この中で自身の生年月日を書き込むのですが、選択肢の中に存在しないわけです。

つまり30歳が応募してくることは想定していないのです。これには困りましたが、備考やその他の欄に事情と生年月日を書き込むと通ったところもありました。

何事もやってみるものです。

 

2.高校中退は消えない烙印

 

 就活の中で最も苦しめられたものは高校中退という経歴でした。

自分の中のふわっとした就活イメージの中で、直近2つの学歴(=大学院、大学)しか見られないものとすら思っていました。

ですが最も聞かれたことは、大学院での研究内容でもなく、空白期間の話でもなく、年齢でもなく、高校中退のことでした。

 

 聞かれるのはあたりまえです。上で超長期労働の時代との書きましたが、では最も困る人種は何かと言えばすぐ辞めてしまう人間なわけです。

高校を中退するような人間が社会人を40年50年続けられるでしょうか。

それは蓋を開けてみなければわかりませんが、少なくともこの経歴を超長期労働の時代に活かすという表現は、私にはできませんでした。

 

 さらに苦々しいことに、これは上層部からほど嫌がられるということです。

4次面接まであったとして、最初の1,2次は人事や現場の役職持ちなどが対応する企業は少なくありません。

その場合はあまり突っ込まれません、なぜなら次の面接に通していいかの段階ですから。

ですが役員はそうは言ってられません、決断を回す側から下す側に視点が移った時、もっともわかりやすく辞めそうな要因を持っている人間を排除したいと考えるのは当然です。

 

 つまり選考は進むが最終で落とされるのです。これほどの落胆はありません。

就活終盤、最終面接に進むとき役員の表情を見ることが最も苦痛でした。それほどまでに露骨なもので、こればかりはどうしようもありませんでした。

 

3.2年間の大学院>30歳

 

 修士という肩書は、高校中退の烙印を上書きすることはできなくとも弁解の余地を与えてくれるには十分なものでした。

言ってしまえば就活での私の市場価値は30年の人生よりも修士2年間に重きを置かれるわけで、それはそれで複雑な心境でした。

もし大学卒業後仕事を見つけられない方は大学院へ飛び込むことを強くお勧めします。

これについてはまたいつか詳しく書ければと思います。

 

 

 

 

 結局、30歳新卒の就活は修士というメリットと高校中退というデメリットがすべてで、年齢はもはや関係のないものでした。

現在、私はそこまで大きくもないが小さくもないメーカーの開発職として働くことになりました。

そして実際に配属されて、就活のとき重視されなかった年齢が顔を上げてくる機会も増えてきています。

そのなかでは30歳という年齢がむしろアドバンテージになるケースすらあることがわかり、人生というのは中々不思議なものだと実感しています。こちらについても機会があれば…。

 

週に2~3回程度、このような振り返りをメモ帳のように更新していこうと思っています。それでは。